虫刺され

平成10年初夏
「花」が生まれた。

産後、無理をしないようにと街の制度で一週間「一時保育」が有りました。
身体の休みを取りたかった陸は預けることにしました。
最初は、大泣きしていた星も徐々に慣れてきました。

ある日の夕方お迎えに行ったら、保育園の先生が「星君、虫に刺されてしまったようで…」手が膨れあがるくらいだった。
痛いだろう/痒いだろう!

空が帰宅後、国立病院へ行ったが小児科が当直医では無く外科の医師だった為、星のカルテをみるなり「この子心臓病だね。明日昼間来て!」
陸「えっ?でも小児科の先生大丈夫だって!せめてつけ薬でも…」
外科医「何かあって僕のせいにされては、かなわないから〜」
空・陸「心の中で、何?」やりきれない思いでした。
小児循環器の主治医のいる病院の夜間救急に連れてきたのに・・・
「生後からの経過もカルテには記載されてあるだろうに・・・」

言葉を失ってしまった「空と陸」
痒みを訴える「星」
「花」はすやすやと寝ています。

その場を離れ
陸は財布の中から10円玉を取り出し
空は「T市の・・・・」
陸「わかってる!」
夫婦無言で心の合図でした。

公衆電話からT市の個人内科・小児科の病院にTELしました。
Dr「今、何処にいるのかな?」
陸「A町です」
Dr「気お付けてゆっくりいらっしゃい。表は開いていないから裏から来てね」
陸「はっはい!」
時間はPM11:00位でした。(感無量でした)

診察をして
Dr「星くん、そろそろ自我が芽生えてきたな!やっぱり男の子だ。虫に平気で触ったんだろうな、おそらく動くものに興味を示した結果だな」
胸の音も良く聞いてくれての確認でした。
Dr「一応抗生物質の飲み薬も出しておこう、それと塗り薬も・・・これでは痒いし痛いし、化膿でもしたら大変だからね!」
「但し、症状がおかしな時は夜中でも連絡頂戴ね。それと、国立病院には今回の薬を受診のときに言っていいからね」

空・陸共に頭が下がる思いでした。
      同じ医師免許を持つ同じ職業の人なのに何でこんなにも対応が違うのだろう?